宇宙開発に関するプロジェクトの評価指針

 平成12 年の末に宇宙開発委員会が策定した「我が国の宇宙開発の中長期戦略」において、「宇宙開発活動のマネージメント」が取り上げられた。他方、中央省庁再編前の科学技術会議は平成9 年に「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」を策定した。これらを受け、宇宙開発に特化した評価を宇宙開発委員会が行う際の指針をまとめることになり、「評価指針特別部会」が編成され、平成13年7月18日にまとめられたのが、最初の評価指針である。

 宇宙のプロジェクト進捗の評価を実行する「計画・評価部会」の部会長であった、栗木先生が部会長を務め、「計画・評価部会」とは異なる委員編成で検討が行われた。ISASのプロジェクト管理を熟知した栗木先生が、その知識を駆使して、NASDAのプログラム進捗の評価にも適応できるように創出したもので、大変力のこもった作品になっている。しかし、何も無いところからの取り組みであり、多種多様なプロジェクトの評価に一律に適応することに難しさがあり、少々難解な指針になった。難解とは云え、「計画・評価部会」を栗木先生が部会長として牽引していたため、個々のプロジェクトの特徴に合わせた微調整が上手に行われていた。

 その後、平成15年に3機関統合があって、さらに、栗木先生が宇宙開発委員会を去り、平成17年10月3日に最初の改定が行われた。「計画・評価部会」を改称した「推進部会」が改訂作業を行った。審査を行う委員が自ら改定を行ったにもかかわらず、難解であることは解消されないまま残ってしまったように思える。改訂を見え消しで示したものはここから開くことができる。平成17年の改訂版はここから開くことができる。改訂後の「指針」に解説を加えたものはここから開くことができる。


 更に、JAXAのプロジェクト管理の改善(プロジェクトの監視や中止を含む計画変更の徹底、フロントローディング制度の開始)の報告を受け、平成19年4月に再度の見直しが行なわれた。変更は小幅であり、一回の審議で決定された。改訂を見え消しで示したものはここから開くことができる。平成17年の改訂版はここから開くことができる。改訂後の「指針」に解説を加えたものはここから開くことができる。


 2回行われた改定が小幅のものであり、最初の指針にあった問題点を改善したものではないので、(私案)を作ってみた。