言葉を覚えるには漢字の活用が有効
言葉を覚えるにはともかく耳から聞かない事には始まりません。また、幼い子供は言葉を覚える天才ですから、絵本を読んで上げたり、話し掛けたりしている内に、沢山の言葉を身に付けます。しかし、更に効果的に言葉を覚える方法があります。順を追って説明します。
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目と耳から同時に
人の五感のうち目と耳から入る情報が圧倒的です。また、目からの刺激が、耳から入る言葉と一緒に入ると記憶に残り易いのです。
親が子に絵本を読んで聞かせる時、子が膝に乗って一緒に覗き込みますが、この、目からの刺激によって一層効率よく言葉を覚えるのです。
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漢字と仮名はどこが違う
漢字は中国から伝わりました。最初は日本語の音を漢字で書きました。万葉仮名と言われるものです。これが行書体、草書体、更に変化して仮名になりました。一方で、漢字を日本語の音で読むことを始めました。訓読みと呼ばれるものです。万葉集の後期の歌は、漢字を訓読みして使ったものが増えて行きます。
現在残し伝えられている言語のうち、音と意味を表しているのは中国語と日本語だけです。他の全ては仮名と同じく音だけを表したものです。また、全ての言語の元を辿ると、音と意味を併せ持った文字に行き着きます。先人の知恵を直接継承している「漢字」を大切にしたいものです。
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漢字の部品には意味が込められている
「漢字は象形文字である。」と、人々は言いますが、漢字の中に象形文字は5%程度しか占めていません。漢字の90%以上を占めるのは「形声」「会意」と呼ぶ、意味と音とを持った部品を組合せて作られたものです。ですから、初めて見る漢字でも意味や音を推察する事が出来ます。例えば「整」は「束」と「攵」と「正」の三つが集まった文字で、それ等は更に二つの部品で構成されています。
言葉が身に付いたと言えるのは、その意味とともに記憶できた時で、意味も分からずに音だけ真似ているのでは、九官鳥や鸚鵡と同程度と思われても仕方がないでしょう。
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複雑なほど記憶の手掛かりが多い
他人の顔を覚える時、平凡な顔は覚えにくく、特徴的な部分が多いほど正確に覚えるものです。髭を生やしているとか、眼鏡を掛けているとか、特徴点を捉えて記憶します。漢字も同じです。画数の多い漢字は書くのには難しいですが、記憶に残り易いので読むのは容易です。
「蜂」と「はち」と「八」は、書くのが難しい順に並んでいますが、読むのが易しい順でもあります。「猿蟹合戦」の漢字絵本を読んだ子供は、たちまち「蜂」が読めるようになります。一方、「八」は、「しち」か「はち」か「きゅう」か分らなくなってしまう子供も多くいます。
また、幼稚園児が「悪魔」という字を推察で読んでしまった例が、石井勲の著書に紹介されています。例えば、「頭がいい親の3歳からの子育て」の「第一章 「漢字」で幼児の脳がみるみる伸びる」の「漢字は幼児の脳には最高の栄養素」の「漢字は幼児の推理 文責能力を自然に引き出す」をご覧ください。本サイトの『石井勲の漢字教育館』に収納されています。